■重水素とは
  水素原子には自然界に3種類の同位体が存在する。同位体は原子核の陽子の数が同じで中性子の数が異なる。
性質は非常に似ている。水素の同位体は質量が2倍や3倍となり他の原子に比べると違いが大きい。
  水素の同位体は水素、重水素(二重水素とも言う)、三重水素である。
 
記号
名前
陽子の数
中性子の数
電子の数
同位体質量
割合
H 水素
1
0
1
1u
99.985%(ほとんど)
Dまたは2H (二)重水素
1
1
1
2u
0.015%6666個に1個)
Tまたは3H 三重水素
1
2
1
3u
極めてまれ
  重水素は化学反応が18分の1と遅い。
 
 ■重水の発見
  1931年にハロルド・ユーリーが発見しノーベル化学賞を受賞。
 
 ■重水とは
  水(D2O)は水素原子と酸素原子でできている。この水素原子が同位体の重水素のものを重水(D2O)と呼ぶ。
  融点は4℃、沸点は通常の水より1.5℃高く、密度は10%高い。また、粘土は25%以上高い。
  重水と区別するため通常の水を軽水と呼ぶこともある。
 
 ■生物に対する害について
  D2Oによる有糸分裂阻害効果
    Gross, P.R. and W.Spindel,Ann.New.York Acad.Sci.,84,500-522(1960)
  ラットにD2Oを注入し、体内濃度35%になると死亡する
    Katz, J.J., H.L.Crespi,et al,Am.J.Physiol.,203907-913(1962)
 

コリンアセチルトランスフェラーゼの反応速度はD2O中で1/2になる

    Currier, S.f. and .G.Mautner,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,71,3355-3358(1974)
  D2OはDNAを修飾し、遺伝子機作によって悪性腫瘍を引き起こす
    Vasilescu, V.,Fourth International Conference on Water and Ions in Biological Systems,Abstracts,p.43,p.58-59(1987)
 
  通常の濃度では重大な毒性を持たない。ただし、長期的に見ると不利益であると憶測される。
 
 
スケール
分子>原子>原子核>電子
 
 
 
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